妖の王子さま



「誰が誰と二人きりになるって?」

「えっ、は、白玖?」



突然後ろに立った白玖は険しい顔で牛鬼を睨む。




「なんだよ、ヤキモチか」

「そうだよ。悪い?」




すっかり、ヤキモチという感情を覚えた白玖は恥ずかしげもなくそう言い放つ。
それを聞いて恥ずかしい思いをするのは蒼子だ。



「ちょっと、二人とも来て!」



2人を引っ張り出し教室から逃げ出した。
誰もいない空き教室に飛び込み、扉を固く締めると二人と向き合った。



「どういうことなのか、ちゃんと説明してっ!」



結局、わけもわからないままなのだ。





「蒼子が突然いなくなるから」

「突然って、私はあの女の狐さんに・・・」




もしかしたら知らないのかもしれないとそこで口を噤んだ。



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