覇狼
【紘人side】
片っ端から二階のドアを開けていく。
おそらく人質の見張りは少ないはず。
くぅちゃんは何もされてないようだったし、アイツもそうだと願いたい。
ここが、最後の部屋。
勢いよく開けると、ビクッと肩が揺れる愛しい人。
なにも、されてない。
菜「っ……ひ、あ…君島………」
「無事で………よかった…………」
ギュウウッ
「なにも、されてない?」
菜「うん………」
「よかった………」
情けないけど、安心して泣きそうだ。
菜「なん、で………アンタなのよ………」
「………ごめん」
そうだよな、距離おいたのは俺だもんな……
菜「ヒッグ………私、のこと……避けてたんじゃなかったの……?」
「菜桜子?」
菜「っなんで、名前呼ぶのよぉ……こ、んな……ことされ…たら……勘違い…するからぁ………ヒッグ…」
「……え?」
菜「お、ねがい…………嫌いって……大嫌いって………いってよぉ………ゥゥ……」
あーぁ………なに。
俺の努力って結局無駄だった?
春樹の、言うとおりじゃん。
「好きだ……………」
【side end】