恋する時間を私に下さい
「ほらほら支度して!勝負下着付けてる⁉︎ 普段使いのじゃダメよ!」

こんな事まで指導しなきゃいけないなんて……どっちが姉なんだか…。

「あ、あのね……ルナ……」

オタオタしてる。
無理もない。
お姉ちゃんが男の人の部屋に泊まるのなんて、コウヤさんの部屋以来だろうから。


「さっさと行って!彼氏いる人が週末に一人なんて侘しいよ⁉︎ 早くレイさんに可愛がってもらって!ここは私が留守番しとくから!」

「…で、でも……」


オロオロしてる。あーもう!じれったい!

「タクシーでもなんでも呼んであげるから、とっと行っちゃって!なんならレイさん呼ぼうか⁉︎ 」

ケータイ取り出す私。

…お姉ちゃんは、大慌てで止めた。


「い…いいから!そんなことしなくても…!」

オタオタするの見てたら、イヤんなってきた。


「…もういい!私寝る。後、好きにして…」

ベッドの上に転がり込んだ。
いつもならお姉ちゃん、自分でお布団敷きなさい!と怒るとこだけど……


ーー神妙な顔つきでケータイを睨んでた。
その後、何をどうしたかは知らないけど……


ーーー夜中の3時、トイレへ行こうと目を覚ますと、お姉ちゃんの姿は部屋になくてーーー


……キッチンの流しの上に、メモと自分の部屋の鍵が置かれてて……


『ちょっと出かけてきます。部屋を出る時は鍵かけてね………百合』


小さく書かれた名前の文字が、どこへ行ったか教えてるみたいだった。
そのメモを手に、「お姉ちゃんガンバレ!」と呟いた………。




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