恋愛ケータイ小説倶楽部
「あ、ちょっと本屋寄っていい?」


長谷川くんの指差す先には小さな書店があった。


ローカルな本屋だけど私たちの地元民の中では有名なこの場所。


入口も狭く中には所狭しと本が並べてあるが、一応3階まである。


長谷川くんは参考書を探していたみたいで、1階の学参コーナーへと足を運んでいた。


私はいつもなら1階の雑誌コーナーや2階の漫画コーナーしか覗かないけど、初めて3階にある文庫コーナーへと足を運んでみた。


見慣れない純文学のコーナー。


ア行…カ行…サ行…順番に確認していく。


そしてナ行のところで私は足を止めた。


夏目漱石の札の横には彼が作者の小説が所狭しと並べてあった。


先生が薦めてたのはえっと……五郎?みたいな人の名前だったような気がするけど、何だったっけ……


一ヶ月前のことだったから題名を忘れてしまった。


でも夏目漱石の書籍が並べてある列を見てもどうやらそれらしいものは見当たらなかった。


「あ…」

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