超能力者も恋をする
そんな祖母からの言いつけがあるので、すみれはずっと超能力が使える事は秘密にしていて、世間に知られない様にと目立たないように生きてきた。

しかし、やはり便利なものだからつい、会社でも誰もいない時にはちょっとだけ力を使ってしまう時も…たまにはある。もちろん見られないように慎重にやっているつもりだ。
黙々と資料を捲っていたすみれの手が止まった。
「あー、間違えた。このファイルじゃない!」

思わず声に出して言ってしまった。
段々と終電が近くなってきてすみれも焦ってきていた。
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