超能力者も恋をする
目を閉じて、手の先と頭を一本の糸で繋ぐように意識がを集中させる。
写真に触れた時、ビリビリと指先に電気が通ったような感覚になり、閉じた瞼の裏に映像が写り出した。
海辺を手を繋いで歩く、美弥さんと佐川さん。波打ち際まで歩いて突然大きい波がきて、美弥さんのサンダルが濡れてしまった。
そして、佐川さんがデジカメを取り出して海をバックに2人で写真を撮っている。
そんな映像が流れてきた。

映像が終わるとハッとすみれは目を開けた。 久しぶりの感覚で心臓がドクドクと
大きく脈打っていて、背中にうっすらと汗が滲んできた。
どうやらサイコメトリーの能力はきちんと使えるようだ。

「間宮?大丈夫か?」
写真の前で立ったままのすみれを見て先輩が声をかけてきた。
「大丈夫です。あの…、たぶん見えると思うので、何か行方不明になる前に美弥さんが多く触っていた物があれば、それを読み取りたいです。」
佐川さんに聞こえないように小さい声で尋ねる。
「分かった、待ってて。」

他に写真の近くのメタルラックにはクマやうさぎやアニメのキャラクターのぬいぐるみが何個も飾られていて、その中のひとつの猫のぬいぐるみを触ると、2人でUFOキャッチャーで取った様子が見えた。

そうしているうちに、先輩が赤いバックを持ってやってきた。
「これは美弥が普段使ってた鞄なんだけど、多分いなくなる前も使ってたと思う。見てみてくれるか?」
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