超能力者も恋をする
頷いて、先輩から鞄を受け取る。
佐川さんは別の部屋で手がかりになりそうな物を探して貰っているので、今の内に見てしまう。

バックはミニボストンで、 よく使い込まれた感じがあるのできっと美弥さんの愛用だったんだと思われる。
さっきと同じように指先に意識を集中させてバックの表面に軽く触れる。
瞼の裏に映像が流れてくる。
これは美弥さんの記憶だ。大きな建物と、ショートカットの女の人が見えた。
そして次に入って来た映像に、すみれはハッと息を飲んだ。

すみれは慌ててバックから手を離した。思いもよらなかった映像に衝撃を受けて、動揺してしまう。
(どうしよう…、見てしまった。…どうしよう。)
流れてきた映像には、美弥さんが家出をした理由と、秘密が写っていた。
これは、すみれの口からは言ってはいけないものだと思うし、すみれ自身も言えそうにもない。一体どうしたらいいのだろうか。

「間宮、大丈夫か?!何か見えたのか?」

動揺して放心していたすみれに先輩が慌てて声をかけてきた。

「先輩…。大丈夫ですけど…。」
何と伝えればいいのか考えあぐねていて言葉に詰まる。
しばらく頭をフル回転させて1番いい方法を考えて、先輩に伝える。

「先輩、白木 景子さんを知っていますか?恐らく美弥さんは今、その人のところに居ると思います。」

伝えるとしたらすみれに言えるのはここまでだと判断して、伝えた。
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