超能力者も恋をする
酔っ払いの介抱はとても疲れた。
おまけに先輩に抱き締められた事を思い出すと、また心臓がドキドキうるさくなって顔が熱くなる。
目を閉じると、先輩のスースー可愛い寝息とトクトク規則正しい心臓の音がまだ耳に残っている。

眠気は既にどこかに行ってしまっていて、目が冴えてしまって全然眠れそうにない。
「はぁー…。」

結局すみれは朝方まで眠れなかった。



翌朝、目覚めるとすでに加藤先輩は起きていてエプロンをして朝ごはんを作っていた。
「おはよう、間宮。」
「おはようございます。」

朝の挨拶をすると、先輩はじーっとすみれを見ていた。
「…あの…間宮。昨日俺、大分酔っ払って帰ってきたよな?」
「はい。」
「ごめん、昨日何か迷惑かけちゃった?記憶が全然なくて…。
でも何か間宮に名前は呼ばれたような気はするんだよ。」
「はい?」
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