超能力者も恋をする
あんなに色々手伝ったのに覚えていないなんて、酷すぎる!衝撃的だ!あまりの事に腹も立ってきた。

「覚えてないんですか?!
かなり酔ってましたよ! 水を飲むのを手伝いましたし、着替えるのも手伝ったし、それに…」

それに、抱き締められました、

と言いかけたが、昨日の先輩の吐息や鼓動の音や体温を思い出してしまって、恥ずかしさから言葉を飲み込んだ。
先輩は覚えてないんだったらわざわざ言わなくていいかな?
これは自分の胸の中だけにしまっておこう。

「それに、それに、他にも色々大変だったんですからね、この酔っ払い! 今度酔っ払って帰ってきたらチェーン掛けて入れないようにしますからね!」

誤魔化して、最後にお返しに酔っ払い呼ばわりしてやった。
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