超能力者も恋をする
「ありがとうっ、間宮さん!」
興奮した様子で大島さんが手を取って感謝の言葉を話した。
「ど、どういたしまして。見つかって良かったです。」
「はーい、分かったから、大島さん手を離そうねー。間宮が困ってまーす。
」
そう言って、加藤先輩が2人の間に割って入って、大島さんの手を離してくれた。
「あ、間宮さんごめーんね。あー、ゆきりん、見つかって良かったね。じゃ、僕は帰るよ。2人ともありがとー。」
大事そうにゆきりんを撫でながら、大島さんは帰って行った。
大島さんが帰ると、フロアに残っているのはすみれと加藤先輩だけになった。
大島さんの足音も聞こえなくなった時、
加藤先輩がすみれを横目で見ながらニヤっと笑って言った。
「間宮、超能力使って見つけただろ?」
「は、はい。使っちゃいました。」
「使って正解だよ。大島さんのあの調子なら、フロアじゅうの机をひっくり返してでも探しそうだもんな。そんなんなったら大変だったよ。
助かったよ、ありがとう。」
面と向かって先輩に「ありがとう」と言われた。それも笑顔で。
とたんにすみれの胸は熱くなっていき、嬉しい気持ちで満たされていった。
「あ、ありがとうだなんて、そんな恐縮です。でも、少しでもお役に立てたなら嬉しいです。」
今のすみれの気持ちを正直に伝えた。
今まで、自分の超能力が誰かの役に立つだなんて思っていなかったから、先日のマスターの腕時計の件も含めて、誰かの役に立つ事がこんなに嬉しいものなんだとすみれの気持ちは高まっていた。
自分でも誰かの役に立てる!
それがとても嬉しかった。