メシトモ!
「ホテルって、結婚式もあれば、同窓会もあって、ビュッフェに、新人研修や品評会。色々なことがあって、色々な人に出会える場所なんですよ。すごくないですか? それでこの仕事に就きました」

「杉山さんは人と関わることが好きなんだね」

「はい、人見知りとかは全くないですね。子どものころは、親に『知らない人には絶対に付いて行っちゃだめ』って、外に出かけるたびに言われていました。人見知りしないことが、逆に心配の種になったんでしょうね、うちの親は」

 佐々木さんは「小さいころの杉山さんもかわいいんだろうな」と、言った。

 別に深い意味もなく言われた言葉だってことくらいは、よくわかっている。でも、滅多にかわいいと言われない私には、ドキッっとするには充分の威力があった。

 そんな小さな変化を紛らわすために、ビールを飲み干した。

「あの、焼き鳥も串挙げも減ってきましたし、追加しませんか?」

「そうだね。なに頼もうか」

「ねぎまとぼんじり」

「一皿に三本か。ねぎまとぼんじり、それにつくねと手羽先なんてどう?」

「いいですね。串揚げはどうしましょうか?」

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