メシトモ!
 佐々木さんは紙袋からDVDを取り出し、表と裏を見て、もう一度表を見た。

「愛が悼む。これ観たことない」

「ホラーを結構観るって言っていたんで、かなりマイナーなのを持ってきました」

「タイトルがいいね。すごく気になる。ちょっとだけあらすじを教えてくれない」

「それは所謂、不倫愛憎劇です。良家に嫁いだ女が、そこで働く執事に恋をするんです。そして執事も女を好きになってしまい、二人は結ばれる。でも執事が不慮の事故で亡くなってしまうんです。女は悲しみ明け暮れていると、自分の身の回りの世話をしているメイドに、執事の魂が乗り移っていることを知るんです。そして二人は愛を囁き合う。でも、そのメイドは旦那の愛人だった。ここから奇妙な四角関係が発生し、だんだんと歪み、それぞれの感情を蝕んでいくんです。ホラーと言うよりは、サスペンスに近いですね。これ結末が最高ですから」

 あれ、しゃべり過ぎたかも。結末以外は、ほとんど言ってしまった。

「あー、私、ノリノリで説明した所為で、大方のあらすじ言っちゃいましたよね。ごめんなさい」

「いや、すごく面白そうと思ったよ。説明うまいね」

「あ、ありがとうございます。返すのはいつでもいいので。私が言ったあらすじを忘れたころに観ることを強くおすすめします。今観ても、透明のパッケージに入ったあんぱんを食べるようなものですから」

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