メシトモ!
 保留なんだから、普通にしていればいいや。保留なんだから。

 そう言い聞かせてから、更衣室を後にした。

 メイン・ダイニング・ルームへ戻ると、近藤さんは変わって様子もなく、仕事をしていた。

 近藤さんが誰かを誘って食事や飲み会をするような人ではなかったから、ちょっと気になったけれど別に深読みする必要もないか。

 自分のやるべき仕事をなにより優先することが大事だと思い、新しいディナー用のテーブルクロスを手に取った。

 カレンダーが次の月に替われば、装いも新しくなる。そういう準備が月末には多い。

 人間もカレンダー通りに変化できたらどんなに楽だろう。えんじ色のテーブルクロスを掛けながら思った。

   ◆◆◆

 明日、私はなにを着ればいいでしょう。

 クローゼットから出した服を、ベッドの上に無造作に置いていく。

 いままで佐々木さんに会うからといって、服装で悩んだことがない。

 それなのになぜこんなことになって居るのかと言えば、ヴェールを着けるからだ。
< 168 / 235 >

この作品をシェア

pagetop