メシトモ!
「そうですね。いい巻き添え、ありがとうございます」

 中華まんは駅に着くころにはなくなった。

「じゃあ、お疲れ」と言って、構内のエスカレータへと行こうとする近藤さんを引きとめた。

「ちょっと待っててください」

 近くにあった自動販売機で缶コーヒーを二つ買い、一つを近藤さんに渡した。

「どうぞ。中華まんのお礼です。少し時間たったら、喉が渇くと思いますから」

「おう、遠慮なくいただくよ。ありがとう。じゃあな」

「はい。お疲れさまです」

 近藤さんは缶コーヒーを振りながらエスカレータに乗った。

 私からすると近藤さんは謎の人だ。仕事もできるし、先輩として尊敬している。でも、言動が謎なんだ。

 私の言うことに過剰に反応する。一瞬、失礼なことを言ってしまったのかなと思うけれど、近藤さんを見るとそうではないんだな、と思って安心する。

 今日も突然、中華まんをくれたからなにか、と思った。ただ、一人より誰かと食べたほうががよかったぐらいなんだろうけれど、本当に謎の人だ。

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