男装騎士~それから~
「貴様、ユキとはどういう関係なんだ」
唐突に直球な質問をぶつける。
なりふり構ってなどいられなかった。
「え?」
「質問に答えろ!」
「ユキ・・・、ってユキちゃん?」
男が馴れ馴れしく呼んだ名前に、いらっとくる。
あいつの名前をそんな風に親しみを込めて呼んでいいのは俺だけだ。
「もしかして、ユキちゃんの好きな人ですか?」
「・・・は?」
「ああ!なんでこんなところにいるんですか!ユキちゃんは?一緒ですか?」
「なにを言ってる。あいつと一緒に来るわけがないだろう」
突然慌てだした男。
俺がユキの旦那だと知って慌てているのか?
「あの、いいから家に帰ってください!明日、またここにいらしてください。今度はユキちゃんと一緒に」
「な、なにを言ってる。俺はあんたに」
「いいから、帰って!」
押し出されるように店から押しやられた。
いったい、なんだって言うんだ。