男装騎士~それから~
この期に及んでしらばっくれるなんて。
俺はそんな女に育てた覚えはないぞ。
「お前は、俺というものがありながら、他の男に愛想を振りまきおって」
「え?」
「俺では満足できないのか?あんなおしゃれ、俺の前でしてくれたことなんてないのに」
これではただふて腐れているだけではないか。
王としての威厳はどこに消えた。
くそ。
調子が狂う。
「え、もしかして、ホリスさんの事言ってる!?」
「ホリスというのかあのいけ好かん男は。爽やかそうに装い、人の女に手を出すとは・・・」
「ちょっと待って、違う!誤解なの、レオ!」
「なにが誤解だ!毎日毎日こりもせず城下に通いおって!俺が知らんと思ってたのか!」
思わず怒鳴ると、ユキの瞳に涙が浮かぶ。
「ちが・・・、ほんとに、違うんだもん・・・」
「違うとは何が違うんだ。あんな男にへらへらと甘えおって」