男装騎士~それから~



途中、別の用があるというフランから荷物を全部受け取り別れると俺はまっすぐ城に帰った。
こういう時、甘いんじゃないかと思う。

罰として俺がこうしているのなら、少しでもそばを離れていいわけがない。


いつ逃げるともしれないのに。
本当に、つくづく甘いんだ。



そんなことを感じながら城の中に駆け込んだ。





「カイ?」




突然降ってきた声に息を整えながら見上げる。
階段を途中まで上がっていたユキが、俺を見下ろし驚いたように目を見開いた。




「どうしたの、びしょ濡れ!」

「あ、ああ・・・。雨に降られて」

「それに大荷物」

「ちょっと、買い物してたから」




階段を駆け下り俺の側に来たユキは、心配そうに俺の身体をまじまじと見ると、俺の腕から荷物を何個か引き受けた。




「おい、いいって」

「いいよ、一人じゃ大変だし、早く身体乾かさないと風邪ひいちゃう」



ユキはそう言うと歩き出す。
仕方なく俺もそれについて歩く。




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