あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
私は慌てて帰る支度をして、会社を出ようとした。
「相原さん。」
そこでばっちり山根さんに会ってしまった。
「今帰り?」
そう聞く山根さんに私はうなづく。
「今からお客さんの所に行くんだ。通り道だから、相原さんの家の最寄りの駅まで送って行こうか?」
いつもなら喜んでお願いするところだ。
でも今日は…。
「すいません。今日は寄る所があって。」
しどろもどろにそう答える私に、山根さんは言った。
「そうなんだ、残念。相原さんに話があったんだけどな。」
そんな事を言う山根さん。
「えっ、何かありましたか?」
私は急ぎの仕事の事かもしれないと思って聞き返す。