あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「理由を言ってもらわないと断れません。」

歩き出した郁也さんに追い付くように私も駆け出す。

そして郁也さんの腕を取った。

「ねぇ、郁也さん。」

私はそのまま郁也さんの腕を引っ張る。

それでも郁也さんはずんずんと歩いて行く。

私はそれに付いて行くのに必死だ。

すると急に郁也さんは立ち止まった。

「山根は萌香に惚れている。そんな奴と二人きりに出来るか。」

郁也さんはそう振り向きざまに大声を出す。

ここは駅へ向かう途中の道。

郁也さんのその声に、驚いて振り向いた人がちらほら居る。

「郁也さん。」

私がそう呼ぶ声に、ハッと我に返った郁也さんは私に苦笑いをした。

「済まない。」

< 150 / 400 >

この作品をシェア

pagetop