あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
そして今度は郁也さんの方から、私の腕を掴む。

「とにかく話は帰ってからだ。買い物に行こう。」

私達は電車に乗り、郁也さんのマンションの最寄りの駅近くのスーパーに入る。

買うものが多くなりそうなので、私はカートを押す。

「何だか恥ずかしいな。」

そんな風に笑う郁也さん。

普段自炊をしていないのなら、こんなスーパーに来る事なんてないんだろう。

「郁也さんは今日何が食べたいですか?」

自分の買い物なら何も悩まずにさっさと済ませる所だけれど、今日はそうもいかない。

ここのスーパーは、駅前という事もあってかなり大きい店舗だった。

いつも私が寄るスーパーより品ぞろえが良い。

買い物をしていてこちらが楽しくなってくる。

「俺は好き嫌いがないから、何でもいいよ。」

さっきまで居心地の悪そうだった郁也さんも、今は売り場を見ながらきょろきょろしている。
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