あなたに包まれて~私を分かってくれる人~

郁也はそのままわたしの横に立って、座ったままの私を抱きしめた。

郁也のお腹あたりに私の顔が来ている。

「これからはこんな風に萌香の事を見張る事が出来ないのだから。」

「見張るって?」

私は思わず顔を上げた。

「良いから。」

そう投げやりに言った郁也は私に目を合わせずに、上を向いた。

「恥ずかしいから見るなよ。」

「えっ?」

私はこっちを向いてほしくて、頭で郁也さんのお腹をつついた。

「…やきもちだから…。」

その郁也さんの言葉に私は赤面した。

ここが会社であることを忘れそうだ。













< 230 / 400 >

この作品をシェア

pagetop