あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
えっ…、何?

私は目を丸くして、じたばたする。

そんな私の肩から首に、佐川さんの手が回る。

私が逃げないように抑えつけて、それから私を引き寄せる佐川さん。

そばを通る人が座り込んでいる私達を遠回しに見ているのを感じる。

そしてスッと私の顔から佐川さんの顔が離れると、私は力が抜けて尻もちをついてしまった。

ペタンと座り込んだ私を見て、佐川さんは声を出して笑った。

「本当に手が掛かる奴だな。」

そう言いながら、立ち上がった佐川さんは私の前に手を差し出した。

その手を見てから、私は佐川さんを見上げる。

「おい、立ち上がらないんだったら抱っこして連れて行くぞ。」

ちょっと怖い表情を作った佐川さんが私に手を回そうとする。

「腕だけ貸して下さい。」

私はびっくりして、自分の両手で佐川さんの両腕を掴む。

すると佐川さんは私の腕を下から引っ張ると、立たせてくれた。
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