初恋マネジメント




っていうか天使スマイルって。キュンキュンしちゃったりしてるんかい。




何それ、とあたしが眉を顰めれば、彼は

「男の性です」

なんて遠くを見るような目で言う。何それ。




――この1週間の間に、三橋くんは大分立ち直ってくれたみたいだ。


そしてこうしてあたしの良き相談相手のポジションに落ち着いてくれている。




「まあ正直、多分、もう恋愛感情としての気持ちは吹っ切れてると、自分では思ってますけどね」




彼は手元でバスケットボールを自在に操りながら、きっぱり……とまではいかないけれど、はっきり言い切ってノー天気に笑った。あれあんまり変わらない?




「そっか、……それならよかったね」


「――じゃ、なくて。俺はいいんすよ。問題は先輩じゃないですか」


「アハハ」




チッ、やっぱり話題は変わらないか。



誤魔化し笑いを浮かべて、三橋くんからボールを奪い取る。


床につけてコロコロ転がしながら別の話題を探すけれど、すぐにそれは奪い返されてしまった。


腕長いなあ。



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