小さな恋の物語 *短編集*
「佐藤は何でも溜め込むタイプっぽいから。辛い時とか嫌なことがあった時は俺のとこに来い。分かったか?」



 いつもと違う雰囲気の先生に少し戸惑いながら私は小さく頷いた。



 それを確認した先生は信号が青になったからまた車を走らせた。




 ……こんなのいつもの私らしくない。



 いつもならあんな素直に頷いてたはずがない。



 じゃあなんで頷いたのよ、私……。





 その後は特に何もなく、先生は無事に私の家まで送ってくれた。



 私を送ってくれた先生はそのまま普通に帰って行ったけど……。



 なぜか高鳴っている胸の理由を解決できずにいた──。
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