小さな恋の物語 *短編集*
 そこでちょうど信号で止まった車。



 先生はゆっくりと車を止めるとそっと私の頭をなでた。



「……もし、何かあったら俺に相談しにおいで? いつでも相談にのってあげるから」



 ポンポンと頭をなでながらにっこりと優しく、なおかつ色気を含んだ笑顔を見せてくれた。



 ──ドキンッ……



 先生の対応に思わず胸がドキッと高鳴った。



 なんで、そんなこと言うの……?



 なんで、胸がこんなにも高鳴るの……?




 分からない。自分のことなのに…………。
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