小さな恋の物語 *短編集*
 他愛ない話をしながら那子と廊下を歩いていると……。



 ──ズキンッ……



 ……っ……。ヤバい、頭が痛い……。



 さっきからちょっと体が重いと感じていたのは嘘じゃなかったんだ……。



「……? 雅、どうしたの?」



 その場に立ちすくんでいた私に気づいた那子は心配そうに駆け寄ってきた。



「ううん……。何でもないよ。早くカフェに…………」



 「早くカフェに行こう」そう伝えたかったのに、さっきとは比べものにならないくらいの頭痛に襲われた私は。



 そのまま意識を手放した……。
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