小さな恋の物語 *短編集*
 そう謝られて私は頭を横に振る。



「でも俺、本気だから。……だからちょっと考えてくれないか? 返事はいつまでも待つし」



「…………はい……」




 小さく返事をするといつも通りの表情の先生に変わっていた。



「じゃあ、もう大丈夫そうだし送っていくよ」



「えっ! わざわざ悪いですよ……」



 そんな会話をしたけどけっきょくはこの前同様送ってもらうことになった。





 車の中では空気が悪くならないようにあえていつも通りでいてくれてる先生。



 でも私はさっきの出来事が突然すぎて、家に着くまで上の空だった──。
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