小さな恋の物語 *短編集*
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「ごめんな、コーヒーしかなくて」



「いえ……。ありがとうございます」



 けっきょくあそこで話をするわけにもいかないので数学準備室に連れてきた。



 佐藤はというと、さっきまでの威勢はどこへ行ったのかいつも通り……とはいかないが落ち着きを取り戻している。




 と、いうことでそろそろ本題に入りますか……。




「なあ、佐藤。お前なんでさっき逃げたりしたんだ?」



 聞きたかったことは色々あるがまずそれからだ。




「…………っ……。それは……」



 コーヒーを飲んでいた手を止め、俯く。
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