裏ギフト
ギフトを持ってきた人間は2人に頼まれてやっているダケかもしれない。


そう、あれはただの代理人。


だとすれば可能性は更に広がる。


あたしの事が好きな暖。


愛情をどう表現していいかわからず、歪んだプレゼントをしていたのかもしれない。


でも、わからない。


手紙に書かれていた最後の文章。


あれは明らかにあたしを攻撃するような文章だった。


暖がそんな事をするだろうか?


あたしに声をかけられただけで赤面し、舞い上がるような暖が?


あり得ない気がする……。


あたしは睨み付けるように写真を見つめる。


見れば見るほど、クラスメイト全員が怪しく見えてくる。


最近ではクラス全員と仲良くしているけれど、少し前まではそうでもなかった。


その頃からあたしの事を嫌いな生徒がいたのかもしれない。


そこまで嫌われることをした覚えはないけれど、意図しないところで嫌われてしまう事なら誰でもある。


「……わからない……」


あたしは写真から視線を外し、肩を落とした。


とにかく、もう届いたギフトはすべて捨ててしまった。


あれを組み立てることはできない。


それだけが、現実として残ったのだった。
< 215 / 382 >

この作品をシェア

pagetop