裏ギフト
がり勉
それからは、あたしの話かけてくるクラスメイトは誰一人としていなかった。


あたしが今まで嘘を並べていたこと。


結香の事が大嫌いだとみんなの前で発言したことで、終始突き刺さるような視線を感じるようになった。


初とつぐみは結香の後ろを金魚の糞のようについて歩き、時々あたしの悪口を言って笑っているのが聞こえて来た。


それは一日で終わることはなく、退院後数日が経過しても続いていた。


そんな中、あたしは1人でギフトの送り主を探していた。


クラスから孤立した状態で周囲を見回せば、普段とは違うものが見えてくる。


それはクラスメイトへ対する《恐怖心》だった。


誰からも相手にされないというのは、自分が透明人間になってしまったように感じる。


だけど確かに自分は今ここに存在していて、机に座っている。


そんなあたしを、誰もが視界に入れないように生活しているのだ。


ゾクゾクと全身を駆け巡る不快感。


しかしそれとは別にあたしの心は高揚していた。


人はたった数日でここまで変わることができるんだ。


それなら、ギフトを送っている人物はどこにいてもおかしくない。
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