裏ギフト
相手の心にはきっと喜びしか存在していない。


あたしが結香をイジメていた時のように、相手をいたぶることで快感を得ているのだろうから。


お前か。


それともお前か。


連絡先を知っているクラスメイトなら、あたしの家まで来ることは簡単だ。


すべての人間が疑わしくなってくる。


あたしはギフトに入っていた手紙の事を思い出していた。


新聞の切り抜きで作られた手紙。


あれはちゃんと置いておくべきだった。


新聞に使われている文字を調べることで、どこの新聞を切り抜いて作ったのか特定することができたかもしれない。


あたしは親指の爪をカリッと噛んだ。


ピリピリとした痛みが指先に走り、ホッとする。
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