裏ギフト
☆☆☆

この日の昼休み、あたしはまた図書室でお弁当を食べた。


図書室にはこの前と同じようがり勉君の翔真が勉強をしていて、あたしはその隣に座っていた。


「ねぇ翔真、今日あたし放課後に演技するから見ててよ」


「演技? って、いつから僕の名前を呼び捨てにするようになったんだよ」


翔真はそう言い不機嫌そうに眼鏡の位置を直す。


「今から。あたしの名前も呼び捨てでいいよ」


「断る。僕の立場が悪くなるからな」


そう言い、翔真は参考書に視線を戻した。


数学の勉強中みたいで、あたしには難しすぎてちっともわからない。


「とにかく今日の放課後楽しみにしててね」


「……君のやる事は子供じみてる。でも期待しないで待ってるよ」


翔真はそう言い、軽く笑ったのだった。
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