裏ギフト
☆☆☆

あたしがご飯を終えて教室へ戻ってくると、机の上にマジックで落書きをされていた。


《裏切り者》《嘘付き》そんな文字が殴り書きされている。


「くだらない」


ボソッと呟く。


職員室であたしが何もしゃべらなかったから、初が調子に乗って書いたんだろう。


あたしはスッと息を吸い込み、そして「ひどいっ……!」と悲痛な声を上げた。


両手で顔を覆い、うっうっと小さく嗚咽して見せる。


この反応にはクラスメイトたちも驚いたようで、遠巻きにあたしの様子を見ているのがわかった。


それでも、あたしに声をかけてくる子は誰もいなかった。


あたしに優しくすれば次のイジメのターゲットになる。


そんな感じなんだろう。


あたしはポロポロと涙をこぼしながら雑巾で自分の机を拭いた。


油性マジックで書かれているため、簡単にはとれない。


そんなあたしを見て、初とつぐみが声をあげて笑いだした。
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