裏ギフト
☆☆☆

予想外の翔真のかっこよさにドキドキしながらも、あたしはリビングに座っている翔真にジュースを出した。


「こんな事しなくていいのに」


「だって、お客さんでしょ」


「僕は自分の好奇心でここにいるだけだ。気にしないでくれ」


そんな事を言われてもほっとくわけにもいかず、あたしは翔真と2人リビングでテレビを見ることにした。


テレビに映る芸人の漫才を見ながらも、翔真をチラチラと観察する。


がり勉姿の翔真しか見たことがないから、テレビを見て笑っている姿がやけに新鮮だ。


こんなふに声を出して笑ったりもするんだな。


そんな事を考えていると、ふいに翔真と目が合った。


「ところで、ご両親は?」


今更それ聞く?


「今日お母さんは夜勤だから帰ってこないよ」


「夜勤? 随分早く出勤するんだな」


そう呟き、リビングの時計に目をやる。


時刻は3時過ぎだ。
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