裏ギフト
☆☆☆

待ち合わせのコンビニにつくと、ひなたが雑誌を立ち読みしている姿が見えた。


当然、まだ制服姿だ。


「ひなた」


店内に入って声をかけると、ひなたが雑誌から顔をあげた。


「侑里、お疲れ!」


そう言いかけてくるひなた。


「こんにちはひなたちゃん」


「こんにちは」


2人はニコニコと笑顔で挨拶をかわす。


『ひなたちゃん』なんて馴れ馴れしく呼ばれてもひなたは気にしている様子もない。


この2重人格男とひなたが仲良くするのは、正直あまり嬉しくなかった。


「置いてっちゃうよ? 侑里」


ひなたにそう声をかけられ我に返ったあたしは慌てて2人の後を追いかけたのだった。
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