裏ギフト
☆☆☆

永遠とご飯を終えたあたしは2人で並んで下駄箱へと来ていた。


あたしはチラリと結香の下駄箱を見る。


吹奏楽部の演奏の音は少し前から止んでいて、休憩中か部活が終わったかのどちらかだと思っていた。


下駄箱は開けられた様子がなく、まだ結香がここへ来ていないことがわかった。


どうせなら結香の泣き顔を拝んでから帰りたかったけれど、今はもうそれどころじゃない。


大好きな永遠があたしを待っている。


あたしはすぐに靴を履き替えて永遠の横に並んだ。


「じゃ、帰るか」


「うん」


あたしは頷き、永遠と他愛のない会話をしながら校門へと向かう。


お昼を過ぎたひとときに彼氏と一緒に帰るというのは、きっとこんな気持ちなんだろう。


どこかくすぐったくて、でも嬉しい。


優しい気持ちに包まれている。
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