裏ギフト
誰もいない
翔真に彼女がいるとわかってから、あたしの心は完全に1人になっていた。


ひなたからもメールは来ない。


あたしを心配してくれる人は……誰もいない。


それでもいいんだ。


あたしはいつでも1人だった。


友達のフリをしていい顔をしていただけなんだから、何も変わりはしない。


体育授業では1人で見学をして、図書室にも行けなくなったあたしは1人でお弁当を食べた。


自分はここにいるようで、存在しないそうな気分になってくる。


周囲の賑やかな声が必要以上にうるさく感じる。


こんなの平気なはずなのに、あたしは一体どうしてしまったのだろう。


1人でぼんやりと文庫本を呼んでいると、机の前に永遠が立ち止まった。


「……永遠……」


あたしは呟くように永遠の名前を呼ぶ。


そういえば最近全く永遠と会話をしていない。


結香を陥れ、永遠とうまく行きそうだったのに……そんな事がすごく昔の事のように感じられる。
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