裏ギフト
永遠のカッコイイ姿が見られなくなるかもしれないと思うと、胸がギュッと痛んだから。


「じゃ、すぐ来るから待ってろよ！」


「うん」


あたしは素直に頷き体育館の外に出た。


体育館の中は熱気であふれていたため、外の空気を思いっきり吸い込んだ。


冷たい風が今は心地いい。


さっきまで騒いでいたファンたちも今は学食へ向かっていていなかった。


きっと、永遠が午前中で帰ると知らずに午後もここへ来るのだろう。


永遠が帰ったと知って落胆する彼女たちの姿を想像すると、おもしろかった。


しばらく待っていると、着替えを終えた永遠が自転車を押してやってきた。


今日は休日だから２人とも自転車だ。


そうとわかると少しだけ寂しくなる。


永遠と肩を並べて歩くのも悪くなかったのに。


「侑理どうした？」


ぼーっとしているあたしに永遠が声をかける。


「ううん、なんでもない」


あたしはそう返事をして自転車にまたがったのだった。
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