裏ギフト
あたしは安心して3人分のオムライスを作って、その1つにラップをかけて冷蔵庫へ入れた。


お母さんが起きた時に食べられるようにだ。


母子家庭のあたしには、周囲に気を使うスキルだってちゃんと備わっている。


あたしは騒がしいファンたちを思い出して思わず笑みをこぼした。


あの子たちとあたしとじゃ、生きている次元さえ違う。


いい気分になって鼻歌を歌いながら階段を上がって行く。


「できた?」


その声と足音に気が付いたのか、永遠が部屋から出て来た。


「上手にできたよ」


「うわ、うまそー!」


永遠が笑顔であたしの手からお盆を受け取る。


「いい匂いだな! 早く食べようぜ」


よかった。


やっぱり永遠はオムライスを嫌いじゃないんだ。


むしろ好きなのかも。


子供のような笑顔を浮かべる永遠にあたしはそう思う。
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