裏ギフト
4時間目の授業が終わり、昼休み。


あたしはつぐみと初を誘い、3人で机をくっつけてお弁当を広げていた。


一応結香にも声をかけたけれど、「食欲がないから3人で食べて」と言われた。


あたしはミミズを握りしめた手で箸を持ち、ご飯を食べた。


たったあれだけの事で食欲がなくなるなんて、信じられない。


ミミズの色にそっくりなパスタを口に運びながら、あたしは結香を見た。


結香は図書室から借りて来た文庫本を読んでいる。


かなりの虫嫌いなのか、誰かに嫌がらせをされたことがショックだったのか。


もしくはその両方。


ここまで効果があるなら、またやってみてもいいかもしれない。


結香が元気を取り戻したら、またすぐに男子たちが寄って行くだろう。


その様子は安易に想像できて、あたしは卵焼きに箸を突き立てた。


その時だった。
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