あなたが私にキスをした。
2.私に

――side トーコ


私とトキワがであって、一週間ほどがたった。

まるで新婚の夫婦のような生活に、私はすっかり幸せを感じるようになっていた。

自分に課せられた運命も忘れて――・・・。





「雪まつり?」

「そう、このあたりの年に一回行っているイベントだよ」


トキワにもらったパンフレットを見ると、たくさんの雪像の写真や大きな雪の滑り台で遊ぶ子供達の写真がのっていた。

なんだか、とても楽しそう。


「まあメインは雪像なんだけどね。一部に氷彫刻の展示スペースも作りたいって依頼があって」


「すごい!わたしもトキワの作品、見に行きたい!」


「うん、一緒に行こうな」



私がトキワの胸に飛び込むと、トキワは優しく頭をなでてくれた。




――ピンポーン。




「おきゃくさん?」



玄関の方を見て私が言った。

そういえば、私がここで暮らすようになって一度もお客さんが来たことなどなかった。



「郵便かな、ちょっと見てくる」



そう言ってトキワが立ち上がった。


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