ミルト

「…なぁ、

お前が小さいから多少髪長いのはいいが
長すぎないか?」




髪を丁寧にとかしながらいう。


確かに私の髪は長いかもしれない。


でも…





「私はミジンコなんかではない!」





叫び立ち上がると
櫛に髪が引っ掛かって座る。


再び
奴が後で髪をとく。






あまりの気持ちよさに
眠気が…。






















「おい、姫喜
姫喜、キキー!!!!!!」




「っ!!!!!!!!!!

バニュスメントパーンチ!!!!!」






ゴフッという音とともに
私は目を覚ました。




いつの間にか
寝ていたらしい。



後ろを振り返るが
奴はいない。



よくよく見ると
上の踊り場にいた。








「ハァーなにしてんの?」

「…こっちのセリフだ」


「わーかわいいー」







手鏡に自分を写すと
編み込むようにしてまとめられた髪に
お気に入りの髪飾りが見える。





奴は毎日毎日、
私の髪を結ってくれる私専属の使用人だ。



とまぁ
こんなこと本人には言えない。



なぜ言えないか?


そんなの決まってるじゃない。

奴に喧嘩を売るというのは
死ぬことと同様だ。







「うん、まぁ
今日も可愛くできたな」






奴は少しだけ微笑み
頭をポンポンしてくる。


いつもあるはずのメガネがないせいか
なんか胸に違和感がある。




これは、アレか。

病気か。






まっ、別にいいか。

その内治る。




それよりも
ほんとデキた奴だ。






「未来花なら
私の物語の主人公になっても許せるな」



うんうんと頷いた。

向こうは冷たい目で見つめてくる。







「いや、お前の物語なら
お前が主人公だろ」




「ハァ!?
絶対イヤよ!

だって主人公になったら
ドラゴンのボール集めたり、腕をビヨーンってして戦わなきゃだめなのよ!?

そんなのイヤよ」







「…いや、俺もやだよ」








奴はまた少し笑い、
私から離れていった。




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