ミルト
もうっとか
言いつつ隣を離れない。
まぁ
それがわかっているから
少しくらいの意地悪がてきるのだ。
…。
今思うと
俺よりも姫喜の方が今日は変だ。
いつもより
声は高くて上ずっているようだし、
隣にいる距離がいつもより
少し遠い。
「…おい、
お前の方がおかしんじゃないか?」
と次は
俺が顔をのぞきこむ。
すると、
彼女は俺の顔をバチーンと掌で押してきた。
…なんか、
今日はよく殴られる気がする。
「ごっごめん」
慌てたように
駆け寄ってきて顔を近づける。
鼻と鼻がぶつかりそうなほど
近づいたところで
向こうが顔を赤くして離れた。
…。
「…お前俺のこと、
…いや、なんでもないわ」