陥落寸前!?俺様部長に愛されすぎています。




「姉ちゃん…」


梓さんはその場に座り込んだまま聡から受け取った箱をじっと見つめていた。


「私…思い出した…達也が死んだ事。
認めたくなくて、悲しくて、ショックで、いつの間にかあの事故を思い出すと頭が痛くて、苦しくて、いつの間にか記憶が消えてた。
だけど…現実を受け入れなきゃ達也もこんな私を見たら悲しむよね。
明日、達也のお墓に行ってくる。」


「姉ちゃん…」


敦さんは記憶が戻った梓さんを見て泣いていた。


「じゃあ俺らは帰るから!
後、俺は達也じゃなく聡だから!
きっと達也さんはあんたの幸せを天国から見守ってる。
笑えよ?じゃあな!」


そう言って聡と私は帰って行った。
何だか色々あったけどホッとした。
家に着くと私は聡に聞いた。


「何で梓さんに達也さんは死んだって言ったの?」


「もし梓さんと翼が逆の立場だったら俺は翼に対して同じ事を思う筈だからそう伝えた!
あれはお前に対して俺が思ってる事だから。
翼と居て幸せで、翼に出会えた事が俺にとって一番の宝物だから…。」


「さ、とし…」


「泣くなよ翼?この先に何があるかなんてわからない。
だけど今はすげぇ翼と一緒に居て幸せって事!」


そう言って私の頭を撫でた。




そして11月、私と聡は無事に結婚式を挙げて入籍もした。
多くの人にも祝福されて私達は夫婦になった。
これからは二人で支えあって1日、1日を大切にしたい。





私は胸を張って言えることがある
それは…聡が幸せなら私も幸せだって…。





< 129 / 142 >

この作品をシェア

pagetop