ファントム・パーティー~魔界の狼王子と愉快な恋~

藍目線

先程のおじいさんの執事さんが、


私を部屋まで連れてきてくれた。


「……あ…ありがとうございます。

この屋敷で頼れるのは…あなただけです。」



「……ありがたきお言葉。

でも……どうか…彼らを怖がらないでくれないでしょうか……?」


「…え?」



「私の主人、そしてこの魔界の王、レオン様は、

あなたのことを殺すつもりは全くありません。
むしろ、あなたと仲良くなりたいと思っています。」


思いがけない言葉だった。
私の頭に、あの冷たい瞳が脳裏をよぎる。


「……でも…"味わってやる"と仰って…」


「ご主人様は、極度の口下手ですから、
素直になれないのです。


それに、あなたがお相手なら尚更でございます。」

< 38 / 66 >

この作品をシェア

pagetop