冴えない彼はメガネを外すとキス魔になります!
「夏希さん・・・」
せっぱ詰まったような顔で進藤が立っていた。
確信が現実に変わった。
「進藤・・・。」
どちらからともなく、お互いを求め合った。
進藤は貪るように私の唇を奪う。
その唇の熱と同じ温度で私も受け入れる。
「しんど・・・う」
自分の声じゃないようなかすれた声がキスの合間に聞こえる。
一瞬でも唇が離れようものなら、進藤が私の後頭部を手で押さえ、更に強く求めて来る。
気が済むまでキスを求め合った。
「夏希さん、大丈夫?」
「うん」
あまりにも濃厚な時間が長過ぎて、少しずつ冷静になると、私達は急に照れてしまった。
扉は閉まってはいたが、玄関先で長い時間、 何をしているんだってことになる。
二人でくすっと笑い合って、私は進藤の腕から離れようとした。
しかし進藤は離してくれない。
腕から逃がす代わりにというように、手を握ってソファーまで移動した。
手を繋いだ状態で進藤がソファーに腰掛け、私の手をそっと引き寄せた。
普段ならあり得ないほど接近して隣に座った。
すると進藤の両手が私の頬を包み込む。
いつの間にか進藤はメガネをローテーブルの上に置いていた。
進藤のキレイな顔が近づいて来る。
今度は頬に数回チュッと軽くキスをして、その唇がそのまま耳たぶを噛む。
「ん・・・。」
私は咄嗟の出来事に反射的に声を上げてしまった。
その反応を楽しむようにほほえむ進藤。
「夏希さん・・・もう酔ってないですよね?」
「うん」
「じゃ、この前みたいに酔ってたからって言い訳できないですけど・・・良いですか?」
「・・・うん」
私はまっすぐに進藤をみつめた。
「その顔、まったく…もう…」
進藤の目が更に艶っぽく色づく。
その視線は私の唇に落ち、また激しくキスをする。
そして今度は耳たぶを経由せず、頬から首筋へと進んで行く。
進藤の手が舌が私の敏感な部分を刺激して、快楽の道へと誘(いざな)う。
何もかも忘れて私達は一晩中求め合った。