冴えない彼はメガネを外すとキス魔になります!


昨夜は何度も何度も私達はお互いを求め合った。
心も体も進藤の香りで埋め尽くされて、穏やかな気持ちで目が覚めるとまだ外は白々としている。


時計を見ると午前4時を回ったところだ。
横ですやすやと眠っている進藤の顔をそっとなでる。
すると身じろぎをするが、まだ目は覚まさないようだ。


昨日はいろんな事が起こりすぎた。
成二の異常な嫉妬と行動。


これはかなり衝撃的だったけど、進藤が私を探し回ってくれたこと、みつけてくれたこと、
そして、一度は帰ろうとしたのに、戻って来てくれたこと。
進藤の行動が嬉しくて、成二との出来事を忘れさせてくれた。


「どうして戻ってきたの?」と聞いたら、少し恥ずかしそうに、このまま戻っても夏希さんのことが気になって、絶対に眠れないと思ったって。


見た目は冴えなくて、いつもぼんやりしているというのが、出逢ってすぐの進藤の印象だった。


それが『246』で一緒に飲むようになって、案外、知識が豊富で面白味があることがわかった。

スポーツも万能で、仕事もできる。
人付き合いもほどほどにうまくやっている。
そして本当はイケメンだったいうこと。
なのに、この男が目立たないのは、普段から自分を主張しない、言葉を換えれば男前オーラを隠している気がする。


時々見え隠れする男前オーラに、気が付いている女子もチラホラいるけれど、男前オーラを全開にしないから、そのうち気のせいだったことになる。


「なにを考えてるんですか?」

進藤が目を細めて私を見ていた。
私が進藤の顔を眺めながら、あれこれと考えていたことがバレて慌てて私は進藤から目を逸らした。


すると進藤はニヤリと笑い「昨日の続きしましょ」と言って、口づけを交わして来た。
最初は小さく啄むように、だんだんと舌を絡めて深く強く口内を犯される。
キスってこんなにも気持ちよかったんだ。
初めての感覚を知った。


進藤の舌が唇から離れると、首筋へと這って行く。
そこの部分だけ執拗に時間をかけているとチクっとする痛みが伴う。
と同時に敏感なところへと進藤の手が這っていく。


昨日、あんなに愛し合ったのに、まだ求めている自分がいた。
進藤が私に与えてくれた喜びは、もう他の人ではダメな気がする。
進藤じゃなきゃ、ダメなんだ。




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