冴えない彼はメガネを外すとキス魔になります!


非常階段での出来事から3日が経った。


「話がしたいです。」


夏希さんへは何度も何度もメールをした。
いつも返事は「今は無理」という一言だけ。
ただ望みはある。


夏希さんは普段から一方向から見えるものだけで判断しない人だということ。
だから僕の話を聞こうという姿勢は見せてくれているが、今は無理だということだ。


都合の良い解釈かな?
それでもそう信じたいんだ。


でも…そろそろ僕にも限界が来ている。
この3日間、まともに夏希さんを見ていない。


朝礼が終わると、すぐにCADルームへ行ってしまう。
忙しい時期だというのもあるけれど、お昼休みまでほぼ出て来ない。


以前は一緒に食べようと声をかけてくれていたお昼休みは、いつの間にか姿を消しているし、戻って来てもすぐにCADルームへ直行だ。


帰りだって、僕がちょっと席を外している間に、すでに会社を後にしていた。
完全に・・・避けられている。


はぁ〜とため息を洩らしていると、大木さんが僕のそばにやってきた。



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