涙の跡には【完】
「っえ、もう嫌だよ
姫になると、裏切られるじゃん
誓優だけど、怖い」

「‘姫’なんて俺、言ってないだろ?」

私が顔を上げると、
誓優がニヤリと悪戯笑顔で笑った

「姫じゃなくて仲間、これならいいだろ?」

「姫じゃない?私は、樹鳥の仲間……!
誓優、私信じたい!」

「それでいいんだ
めっちり、お前を強くしてやるからな」

‘いじめてやるからな’
そう、私は頭の中で聞こえた

「強くなる、
それで、家族を殺した組に復讐するよ
信じてもらえなかったあの族も……」

「復讐は、いい事じゃねぇが
お前のしたいようにしろよ。優綺」



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