モンスターガール~彼女はいつもカメレオン~
「そうなんだ?」
「うん」
ネコは私が気にしてるほど気にしてないのかもしれない。
それならそれでよかった。
「司ってさ、彼氏いないんでしょ?」
「え?!」
いないけど……決めつけなくてもいいのに。
「どんな人がタイプなの?」
ネコの思いがけない質問に顔が熱くなる。
彼氏とか私にとって一切無縁の話だった訳で、そんな話には慣れてない。
でも……。
「真面目な人かな。知的で優しくて、頼りがいがあって……見た目は背が高くて、色白でスラッとした感じで清潔そうな……」
ひとり盛り上がる私を見てネコはポカンと口を開け、呟くように言った。
「そんな男、いる訳ないじゃん」
……。
「……そう、いないの。いないから初恋もまだなんだよね」
「あ、先生来たから行くわ」
「……」
ネコはそう言って席へと戻っていき、私は呆然とネコの姿を見送る。
なんか……すごく恥ずかしいんだけど。
そのあとのネコはやっぱりいつもと変わらなくて、山根が言ってたことはきっと嘘なんだと思った。
山根はずっと不機嫌そうな顔をしていて、時々ネコをキツイ目で見ていた。
なにもなく全部の授業が終わる。